輪るピングドラムを観ています。
まだ最終回まで見ておらず17話まで時点ですが、
「だいたいこのアニメに出てくるキャラクターの家族、特に親の環境が悪いな…w」
と思いました。
びっくりするくらいどこか歪んでいます。
親と子供の関係が歪んでいると、子供はそのあとの人生が狂っていくというということを改めて知らされた作品でした。
輪るピングドラムは運命というワードが多く出ます。
自分の生まれた運命は親と子の関係で決まることが多くあるから、『幼い頃から植え付けられている親と子の関係性にけじめをつける』という意味合いがあるのではないかと見ていて感じました。
親との関係性にけじめをつけて自分の人生を生きていくことが流されたままの運命に争うと言うことなんじゃないかと私は考えました。
アニメ『輪るピングドラム』とは
主人公の高倉冠葉(たかくらかんば)と双子の片割れの晶馬(しょうま)、そして妹の陽毬(ひまり)が運命に争うために奮闘する物語です。
妹の陽毬ちゃんは病気で亡くなってしまうんですけど、なぜかペンギン帽子に宿る謎の人物に一時的に生き返らせてもらえることになります。
ペンギン帽子に『ピングドラム』という謎のものを探すように命令され、主人公の双子たちは必死に探すことでストーリーが展開されていく。
公式の動画配信サイトで1話が見れるところが多くありますが、正直このアニメは1話を見ただけでは全くわかりませんw
5話あたりからだんだんストーリーがわかっていくので、最初にもう見る気がしないと思った人は見づらいアニメかもしれませんね。
登場人物の家族関係が歪んでいる印象がある
ここからネタバレを含みます。
登場人物は様々ですが家族関係が17話時点で見られたのは下記の人物です。
- 高倉冠葉、晶馬、陽毬
- 荻野目苹果
- 夏芽真砂子
- 時籠ゆり
主人公の高倉家
主人公の家の高倉家は仲が良い家族だったのですが、両親は地下鉄で爆発テロを起こした主犯だったのです。
仲がいい平和な生活をしていたはずなのに幼い冠葉、晶馬、陽毬は3人で暮らしていくことになります。
お兄ちゃんである冠葉くんはお金をどこか怪しいところから取りに行ったりと普通子供がするべきではないことまでしていたり、3人で一緒にいたら行方不明の親は帰ってくると信じているというシーンが作中で見られます。
両親は犯罪者だから帰ってくるはずがないし、多くの人々の命を奪った犯罪者だから生き残った子供たちは罪の意識を持ったまま生活をするようになりました。
荻野目家
途中で荻野目苹果(おぎのめりんご)さんという強烈なキャラの少女がいました。
ストーカーをしていたりしていたのですが、実はストーカーをしていた理由が結構重かった…。(していいわけじゃないけどね)
苹果さんが生まれるときに亡くなったお姉さんである桃果(ももか)さんのことで両親が揉めて、離婚をしてしまいます。
苹果さんは家族で幸せな生活をすることが一番の幸せであったので相当ショックだったと思います。
亡くなった姉の生まれ変わりが自分であると信じて姉になりきろうとして、姉が残した日記の通りに運命を動かしたら失った家族が戻ってくると信じ切ってしまうのです。
姉の想い人にストーカーをしたりし、常識じゃ考えられないことをしたり…。
『両親が亡くなった姉が原因で家族関係が失われたのなら自分が姉にならないと取り戻せない』という強迫観念が渦巻いていてとても苦しそうにしていました。
夏芽家
夏芽真砂子(なつめまさこ)さんもストーカー(高倉冠葉の)ですw
彼女は幼少の頃から実の両親と一緒に生活をしておらず、祖父と一緒にいました。
実は祖父が父を追い出したため帰ってこれないという…。
『厳しい頑固な祖父がいるから父親は家に帰ってこない』と夢で殺すまで忌み嫌っていたようです。
祖父はフグの毒で亡くなってしまいますが、それでも父は家に帰ってこないまま…。
実の両親に愛を受け取っていない、社長を任されているため相当プレッシャーがかかっていると考えられます。
時籠家
時籠ゆり(ときかごゆり)さんは荻野目苹果さんにライバル視されていた女優さんです。
時籠ゆりさん自身は美しい外見の裏に誰にも言えない体の秘密があります。
幼い頃に美しいものしか愛せないという父親に愛されたい一心で身体を削らせるかのような描写がありました。
父親にずっと美しくないと言われ続けていたため、ゆりさんは自信が全くない状態で『誰にも愛されないから父親の言うことを聞いて父親には愛されたい』と強迫観念を抱いていたのです。
父親がいる限りずっと自由になれない、そんなゆりさんを救ったのが苹果さんの姉である荻野目桃果さんです。
桃果さんのおかげで父親から離れられて女優になった今も彼女の「どんな姿でもあなたは美しいよ」という一言に救われています。
親の影響は大きいがその運命に争う姿は魅力的に見える
輪るピングドラムはキャラクターのほとんどが親の影響を受けていて、成長してからもどこか息がしにくい感じになっていたのが印象的なアニメでした。
誰もが親からの十分な愛情を感じていない、愛情を取り戻すために自分のことを大切にしないような行動をとっています。
特に冠葉くんは危ないルートでお金を受け取ったり、妹のために自分の寿命を差し出すくらい自己犠牲の考えが根付いているなと感じました。
もう自分なんてどうだっていいという考えが浮かぶのかもしれないですが、そう考える人に関わった他の人にも同じ思いをさせることにつながるんですよね。
家族、親子関係の影響はとても強いですが、どうにか他の環境の人から良い影響を受けることが大事です。
親と子の関係に抗って違うルートを見出す、それが運命を変えることに繋がるんですね。
冠葉くん最後いなくなってしまうんじゃないかと心配しています…。
油断してたら結構刺さるアニメでした…最後まで見守っていきたいと思います。